イブ・サンローラン氏逝去
2008年6月1日、イヴ・サン=ローラン(Yves Saint-Laurent)氏が逝去しました。
彼はモードの帝王と呼ばれ、第二次大戦後のファッション界を革命した一人です。
彼の才能に関しては、驚くべき逸話が残されています。
彼がまだ服飾専門学校の学生であったころ、デザインコンテストで後にシャネルのデザイナーとなるカール・ラガフィールド(Karl Lagerfeld)氏を抑え、最優秀賞に輝きました。
そしてこの時の審査員であった、ファッション誌としては世界一の権威であった「VOGUE」誌の編集長が、イブの才能に感動し、友人であり当事既に成功を収めていたクリスチャン・ディオール(Christian Dior)氏に紹介したのです。
クリスチャン・ディオールはイブのデザインを見て、
「イブには最高のデザインの才能があります。私はイブに認められたい。」と言い、デザイナーに推挙したそうですが、周囲のイブの才能に対する疑念から、この時は実現しませんでした。
しかし、同年、クリスチャン・ディオールが突然この世を去ります。
残されたクリスチャン・ディオールの社内の人間は、クリスチャン・ディオールに変わるデザイナーを探さねばなりませんでした。
そして故人が認めた一人の青年に、思いを託したのです。
そう、イヴはなんと21歳という若さで、クリスチャン・ディオールの主任デザイナーとなり、その才能を発揮し始めました。
しかしその3年後、彼はなんとフランス軍に徴兵され、精神を病んでしまいます。最高の才能を持ったデザイナーを、戦争はただの人殺しに使ったのです。
その数年後、彼は彼の才能を高く評価するパトロンの出資により、自身のブランド「イヴ・サンローラン」を立ち上げます。
その後の彼の活躍は目覚しいものでした。
今日、女性がパンツファッションで町を歩けるのも、彼が最高のデザインと共に、女性のファッションの既成概念を壊したからに他なりません。
男性ファッションにおいても、彼と彼のブランドが残した足跡は、計り知れません。
イブ・サンローランは長い間、シンプルで地味なものが良いとされていたスーツスタイルを、変化させたのです。
様々な、色、様々な素材、そして何より、スーツファッションに「MODE」というエッセンスを与えたのは、他ならぬ彼です。
だからこそ、現在ではスーツのシルエットはディテールにもトレンドが有り、ファッションを楽しむ事が出来るのです。
ブランドとしては、シャネルやディオール程までには成功はしませんでしたが、才能としては20世紀最高のデザイナーの一人であると、言い切ってよい人でしょう。
長々と書いてしまいました。
ただ、最近のスーツファッション好きの方の一部には、「クラシック」ばかりに気を取られ、モードを無視する方が多い様に感じます。
モードである事も、同じように素晴らしい事なのです。
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