容疑者xの献身 (ネタバレ有ります)

2008/9/29 月曜日Filed under: 東野圭吾
容疑者xの献身 (ネタバレ有ります)

映画公開前という事も有り、東野圭吾氏の「容疑者xの献身」を読んでみました。

ガリレオシリーズは実はテレビ放映後に 読んだのですが、はっきり言って、この作品は、ガリレオシリーズとは比べ物にならないほど、素晴らしいです。
ガリレオシリーズではお馴染みの、湯川(ドラマでは福山雅治さん)が唯一天才だと認めた、石神。
石神は現在、その天才的な数学者としての才能に見合わぬ、数学教師という不遇の人生を終わらせようと自殺を図る。
しかしその瞬間、アパートのチャイムを鳴り、命を取り留める。
そのチャイムを鳴らした、引越しの挨拶に来た母娘に 彼は惹かれ、1年後、彼女達二人の苦難の道のりの、ドブさらいを一手に引き受ける事になります。
そのドブさらいが今回の事件。
石神が人道に背いたとするならば、ホームレスの命を軽んじた。
ただそれだけだと思います。
とにかく、東野さんがよく作品のテーマとする、「無償の愛」が描かれていて、最後のシーンではちょっと泣いてしまいそうになりました。
もっと早く工藤、石神といった思いやりのある人間が、靖子(犯人)の前に現れれば、避けられたかもしれない、誰も幸せにならない事件。そして、解決する事で更に皆が不幸せになる。
読み終わった後は、そんな東野さんの作品独特の後味の悪さが、 付きまといます。
それでも、やっぱりそれが持ち味で、だからこそ素晴らしいのだと思います。

白夜行と手紙(東野圭吾)

2008/7/1 火曜日Filed under: 東野圭吾

今日はフォーマルウェアとはまったく関係の無い話。

たまには・・良いですよね?

先週末、手紙と白夜行を読みました。

実は東野圭吾さんの本はまったく読んだ事なかったのです。

あまりにも話題過ぎて、有名すぎて。

ちょっと敬遠していました。

ただ、寄った古本屋であらすじに惹かれ、まあ食わず嫌いもダメだから読んでみよう、と。

ちらっと最初の数ページ読んだ感じでは好きな文体ではありませんでしたし、好きにはならないと思っていました。

しかし・・・。

まず手紙を読み終わって驚き。

久しぶりに素晴らしい小説に出会えた気分です。

小説に出てくるイデオロギー的な話は置いておいて、とにかく絶妙な人物描写です。

登場人物が生きている、というか、必要以上に感情を描かないので、読者が考える必要があります。

それが、とても良い余韻を残すのです。

しかし、それ以上に脱帽だったのが白夜行。

主人公2人の感情はまったく描かれず、セリフも殆どありません。

ラストシーンでさえ。

しかも、彼ら2人は会って話したりしているはずなのに、それさえ描かれないのです。

ですから、彼ら2人の関係、人格、感情、 すべて読者が想像するしかありません。

だからこそ話を読み終わったあとでさえ、 彼ら2人の人格を現すピースに飢えてしまうのです。

今まで読まなかったのが後悔してならないほど、心に迫る余韻がありました。

文体が合わないなあ、と思う私でさえこれだけハマるのですから、合う人にとってはとてつもなく素晴らしい小説なんでしょう。

これからは私も、東野さんの小説、読み漁る事になりそうです。

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